BUSTAFELLOWS~バスタフェロウズ/ネタバレ無し総評

こんなに後味の悪い乙女ゲームが他にあるのか、あったら教えてほしい。 

BUSTAFELLOWS(バスタフェロウズ) - Switch

BUSTAFELLOWS(バスタフェロウズ) - Switch

 

 面白くなかったのか、と聞かれたら首を横に振ります。短期間で一気に、夢中でフルコンプしたので。ただ、もう一度やりたいか、と聞かれたら今は首を縦にも横にも振れない。遊び終わった今、悲しくて心臓が潰れてしまいそう。これを〝プレイ後の余韻〟として楽しめたら良いのだけど、わたしには楽しむことはちょっと無理みたい。

  

システム

序盤だけとはいえスチルが動いたり、キャプチャーの間に次回予告があったり、車に乗った際の立ち絵があったりと、今までの乙女ゲームにない演出が多かった印象。(乙女ゲーム久々なので、比較対象が古いだけかもですが)また、背景とうまく馴染むスチルが多かったのが、見ていて気持ちが良かった。立ち絵と馴染むスチルが多かったので、静止画でも映像として楽しむことが出来ました。悲しい事が多い本編とは分けて、固定キャラとの後日談を楽しめるside:Bも、気持ちを変えて楽しめて良かった。ショートストーリーもたくさんあって、同じスタッフでの前作乙女ゲー「Side Kicks!」とのコラボなんかも多くて、好きな人としては楽しいですよね。そんな諸々の点で、新しい乙女ゲームに触れられた気がして、新鮮で、嬉しくて、すごく楽しかった!

ただ、SKIPが遅いのはとてもネック。単純に速度が遅い。MAXにしてもまだまだ遅い。次の選択肢までジャンプすることは出来るんだけど、キャプチャーの最後の選択肢を超えると、ジャンプ機能は使えなくなってしまうのが…キャプチャーの中には選択肢がない事もあるので、その話中は、ずっと のろのろスキップ。動画演出が挟まれると、ボタンを押さないと普通に再生されちゃうのも不便だと感じたポイント。とにもかくにもスキップ改良を求む。選択肢が表示されている時にセーブもクイックセーブも出来ないのも不便だったけど、一行前に巻き戻しは簡単なので、スキップ程は気にならないかな。

あと、だからなんだよ という話ですけど、テウタたちがよく買い物に行くショッピングモールのBGMが、うちの近所のスーパーのBGMと一緒なの、すごく気になる。

 

主人公

 テウタちゃん。基本的に元気で、厭味なくかわいい子だった印象。キャラクターに寄り添う形で話を聞く姿勢にわたしが泣く。他の人の言葉を無視して突っ走って、結果めちゃくちゃ足を引っ張る主人公が苦手なんですけど、テウタちゃんの場合時間を遡る能力を持っているので、まあ仕方ないのかな。足を引っ張る属性を無くすためなのか分からないけど、足がめちゃくちゃ速い設定は笑った。物理だ。「わたしもついて行って良いでしょ」「まあお前足速いもんな」って会話が何度か出てくるほど。時にぐいぐい行かねばなるまいという事で、そこはあまり気にならない程度でした。愛されるだけじゃなくて、愛することが出来るまっすぐな子。そんなの好きになるしかないので楽しく遊べました。

 

キャラクター

攻略対象5人とも本当に魅力的だった。みんな大好き箱推しです!プレイして序盤ではモズが好きだし、揺るがないだろうなと思っていたんですけど、まさかのひっくり返りました、ヘルベチカ!!!ヘルベチカ万歳!!!こういうキャラを好きになることってあんまりないので、自分でもびっくりしてるんですけど、めちゃくちゃ好きになってしまいまして。個別ルートで彼の弱さに触れたときにどうしようもない愛しさに駆られ…いやでも性癖じゃない、性癖にしてはだめだ…。

最終的な個人的好感度としては、ヘルベチカ>シュウ>モズ>スケアクロウ=リンボではあるんだけど、ヘルベチカが一番、他も僅差で、結局はみんな同じくらい好き、大好き!幸せになってほしいと切に願います。テウタちゃんを含め、家族のような6人がとても好きです。愛さずにはいられない。多くの人がそう思えるように作りこまれたキャラクターばかりだと感じた。

メインキャラクターだけではなく、サブキャラクターも魅力的。というかサブなのか、サブなんてひとりもいないのでは?お願いなので、みんなまとめて幸せになって。

 

攻略順

公式からどんな攻略順でも問題なしとあったのですが、本当にその通り。5人攻略後に真相ルートが開くので、終わり方は一緒。わたしは、リンボ→スケアクロウ→シュウ→ヘルベチカ→モズの順番。個人的に、モズの話が一番辛く、辛い気持ちのまま真相ルートで更に辛くなって、ただただしんどかったので、人にはモズは中盤で攻略した方が良いよと進めたい。

 

 総評

「あざやかな 悪 に染まれ。」がキャッチコピーの乙女ゲーム、元々甘いものを期待していた訳ではないんです。ただ、ちょっと覚悟が足りていなかっただけ。萌える部分もたくさんあるけど、それ以上に絶句していることの方が多かったかもしれない。笑えるところは声を出すくらい笑えて、キャラに愛着が湧いたところに試練が襲ってきて悲しさ倍増。それを超えた先にあるのは、各キャラと恋が実った後の甘くてかわいいエピソードなので、十分にやにや出来ました。その点は満足なんですけど、如何せん後味が…真相ルートには甘さなんてものはないので、砂糖ざりざり直食いしながらプレイすることをお勧めします。真相ルートはもちろんの事、どのルートでもお酒は全く進まず、全然酔えずでした。わたしは変に感情移入しすぎてしまったのか、何度か吐き気に苛まれてしまった。ただ、これがバスタフェの特徴なんですよね。色んな乙女ゲームがある中、個性がしっかりあるのはすごく良い事だと思うし、悲恋やバッドエンド好きな人も多いので、いちゃラブ系より需要もあるんだと思う。現に在庫品薄が続いている訳だし。わたしも、プレイしなければ良かったなんてことは全然思わないんです。本当にこのゲームに触れることが出来て良かった。「面白い」というよりは、「心に残さないといけない」と思うゲームでした。色々書きたいことがあるのですが、どれもこれもネタバレになってしまうので追々。

主人公のテウタちゃんは、読者にどう思うかと問いかけるような記事を書くライターでしたが、このゲームもまさにそんなシナリオ。でもわたしには答えが出せません。このゲームに触れた方、どうか教えてください。本当の正義とはなんですか。 

 

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